これからの時代を生き抜くために必要な力②「論理的思考力」

教育

現代の子供たちは、論理的思考力が欠如していると言っても過言ではない。この道30年の教師に話を聞いても、10年前、20年前の子供たちに比べると、圧倒的に論理的思考力が低くなっているそうです。一方、論理的思考力はこれからの時代を有利に生き抜くためには不可欠であると言えます。大袈裟かもしれませんが、大学への進学、社会人として生きてゆく上では、「論理的に物事を考えること」ができて当たり前です。つまり、小学生、中学生の間から、テストの成績だけでなく、身の回りの出来事、情報を整理し、発言や行動へと具現化する訓練をする必要があります。しかし、現代の子供たちはその思考力が欠如しています。

 

 

 

論理的思考力が必要な理由

論理的思考力(ロジカルシンキング)が必要な理由、それは、単に頭のいい子供を育てることが目的ではありません。これからの時代を生き抜くためには、今までよりもさらに論理的思考力(ロジカルシンキング)の必要性が高まっているのです。その理由として、現代の日本、そして世界が、不確実性の時代に突入したことが挙げられます。

 

 

一般社団法人日本能率協会が発表した資料によると、ここ数年の企業課題として最も多かった解答は「収益性の増加」。また、3年後の課題として「質的人材の不足」と回答した企業が最も多い結果になりました。この背景には2008年に起こったリーマンショックがあると言われています。リーマンショック以後、世界的に不景気に陥り、世の中はニューノーマルな時代に突入しました。ニューノーマルとは、「異常」と言われた状態が、普通になってしていることを意味しています。

 

 

 

環境・エネルギーの問題、ジェンダー平等、対中・対韓国などの国際秩序、経済格差、働き方改革など、ここ数年で企業や私たちを取り巻く環境が変わりました。これらの課題を解決するための手段に正解はないと思っています。これをやれば今後のメリットが大きい、この人について行けば安泰だ。そんな一辺倒な考え方は通用しなくなってきたのです。感覚や経験だけに捉われず、現状の課題を見つけ、分析する。いわゆる「ファクトベース」の考え方が重要なのです。

 

 

そして、それらを解決するための手段を考え実行し、結果を見つめ、検証・分析する。この一連のサイクルこそ、論理的思考を活かす場所なのです。企業が課題とする収益性も、これらの論理的思考を巡らせ、答えを出さないといけません。そして質的人材とは、仕事を「こなせる」のではなく、論理的思考を巡らせ、仕事を「見出す」人材こそ必要とされているのです。

 

 

 

なぜ現代の子供達は論理的思考力が低いのか

さまざまな要因が挙げられますが、わたしが考える最大要因は下記の3点への依存です。

・ネット依存
・ゲーム依存
・スマホ依存

大人であっても、これらに依存していない人を探す方が難しいくらいですよね。アンダース・ハンセンの有名な著書「スマホ脳」によると、スティーブ・ジョブズ氏に代表されるIT業界のトップたちは、我が子にスマートフォンを与えなかったといいいます。便利すぎる世の中、情報は自分が探さなくても勝手に目の前に現れてくれます。Googleは情報をさまざまな形で整理し、YouTubeは面白いコンテンツをエンドレスで選んで放送してくれます。また、スマホアプリを利用すれば、無課金で無数のゲームを楽しめ、簡単に快楽が得られます。スマホの普及により、朝起きた瞬間から寝る間際まで、常に情報を与えてくれるものが手の中にあるんです。結果、睡眠時間が削られることは言うまでもなく、集中力、思考力の低下が簡単に想像できます。また、これらのテクノロジーの進化により、自分に都合の良い情報しか目に(耳に)入らなくなり、知識、コミュニケーションにも偏りが生まれす。

 

 

本来、論理的思考はある目的に必要な情報を整理し、有益な情報を選ぶことから始まります。そのため、自分に必要で無い情報を見抜く力も必要です。日々の快楽のために整理された情報は、論理的思考はともかく、感情や社会性への悪影響も否めません。とはいえ、スマホやインターネットなどのテクノロジーと、私たちの生活は切り離せません。では、どのように論理的思考を鍛えればいいのでしょうか?

 

 

 

論理的思考を鍛える方法

これまで論理的思考の重要性について述べてきましたが、一体どのようにして論理的思考を鍛えればいいのか、私が実践して効果的だと思う方法をお伝えします。

 

本を読む

経験上、論理的思考を鍛える上で、メリットが大きいと感じるのが本を読むことです。漫画ではないほうがいいです。ただ、興味のある分野の本で結構です。野球が好きな子供であれば、著名選手のエッセイや、ハウツー(How to)本も効果的だとおもます。生物が好きな子であれば、生物に関する多くの本があります。本はある程度情報が整理されています。興味のある分野について、広い知識の収集や、課題解決のきっかけとなる情報を得ることができます。本ほど論理的思考の形成に有益なコンテンツはありません。小さなお子供であれば、絵本がベストです。短い物語もあれば、一問一答形式のクイズのような絵本も数多くあります。論理的思考の根底となる、因果関係やストーリー性が必ず描かれており、文章と絵で、耳と目から脳を刺激し、自ずと考える力を鍛えてくれます。

 

 

なぜ?なぜ?を繰り返し問う

物事には因果関係があります。例えばテストで間違えた問題があったとします。正しい解答を理解し、次のテストでは間違わなないようにすることも大切ですが、間違えた理由を理解することが最も重要です。理解ができていなかったのか、勘違いだったのかなど。小学生から高校生くらいまでの学力は、子供個人の能力やセンスの差ではなく、反復練習で得られた理解力で優劣がつくことが多いと言われています。一度の授業で全ては理解できません。そのために予習や復習という勉強が存在します。その間になぜそうなるのか。なぜこのようなことが起こったのか。目の前の資料や問題に関する理解を深めるという意味でとても重要なことです。小さな子供に対しては、いけないことをしても、ただ頭ごなしに叱るのではなく、なぜそんなことをしたのか?なぜやってはいけないのか?これらをしっかり伝えることで因果関係を学ぶきっかけ作りをしてください。

 

 

 

コミュニケーション

親と子、友達同士、先生と生徒、ビジネスパートナー。様々なコミュニティが存在しますが、いずれにおいても「あまりコミュニケーションをとらない」という状態は、論理的思考力の形成において、デメリットでしかありません。先ほど述べたスマホに依存した状態だと、人とのコミュニケーション機会は減る一方です。もちろん、会話の内容にもよりますが、私のオススメは、子供の頃から、「ビジネス」というキーワードで親子や学校で話し合うことです。最初は将来の夢から話出すのもいいでしょう。そこから、どのようにして収益を生み、どのようなビジョンを持って活動していくのか?など、より具体的なトークテーマにしていくと、子供の頃から将来でも使える論理的思考を鍛えることができます。

 

 

 

本屋アプリによる脳トレ

あくまでテスト的な位置付けですが、論理的思考を鍛えるきっかけ作りにオススメなのが、論理的思考力を鍛えるアプリや書籍です。「こんな問題があったよ」という軽い話題フリとして利用するのもいいでしょう。論理的思考力が重要なのはわかったけれど、どうやって子供に身につけさせればいいかわからない。という場合には、きっかけ作りになるかもしれません。

 

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

5分で論理的思考力ドリル [ ソニー・グローバルエデュケーション ]
価格:1100円(税込、送料無料) (2022/1/4時点)

 

楽天で購入

 

 

最後に

最後に、現代の子供達は圧倒的に親とのコミュニケーションの機会が足りません。習い事が忙しい、スマホやゲームに夢中、親が仕事で忙しい。様々な理由があると思いますが、「会話無くして論理的思考の形成は無し」。子供の成長に期待したいのであれば、少しでも会話の機会を増やしてあげてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました