小さい子供の英語学習は本当に必要?-これからの時代を生き抜くために必要な力③

教育

これからの時代を生き抜くために必要な力とはなんなのか?これからの時代、英語での会話力や読解能力は必要不可欠だと感じている方も多いと思います。確かにインターネットやSNSの普及により、世界との距離は縮まりました。しかし、子育て世代の私たちも、中学、高校と英語を勉強してきたにもかかわらず、英語を十分に話せる人はごくわずかです。そんな日本の大人たちは、こぞって「子供に英語を習わせるなら早いほうがいい」と言います。本当にその言葉を信用していいのでしょうか?

 

 

子供向けに教材やDVDを購入したり、できるだけ早い段階の3歳、4歳くらいから英会話教室に通わせているという人もおられることでしょう。さらには動画や歌を家で流すという家庭も多いと聞きます。確かに、英語は話せるに越したことはありません。ですが、いくら単語を勉強しても、優秀な先生に英会話を習っても、語学の本質的な部分を理解しないと、英語の勉強が無駄になるばかりか、英語に対して苦手意識がついてしまいます。子供に本気で英語を身につけさせたいのであれば、ただ小さいうちから勉強させるという一辺倒な考え方を変える必要があると筆者は考えます。

 

 

 

普通に英語を習っても身につかない

私たち子育て世代の多くは、中学生から英語を習い始め、高校までの6年間みっちり英語の文法や英単語を習ってきたわけです。しかし、多くの日本人は英語を喋ることができません。あんなに苦労したのに、映画を観るときは日本語の字幕を読み、海外旅行では日本人のアテンドが付いたツアーを組む。覚えたはずの単語はほとんど忘れ、ビジネスで英語を使える人はほんの一握りの人たちだけです。

 

 

すでに英会話教室に通っているお子さんの中には小学生やそれ以下の子供たちも多いでしょう。彼らが今習っている内容に比べて、私たちが中学、高校で膨大な英語に関する情報を習ったにもかかわらず、英語はほとんど身になっていないのです。

 

 

 

できるだけ早く、子供が小さいうちに!は正解とは限らない

今のようなことを話すと、「頭の柔らかい小さい子供のうちから勉強しなかったからだ」という方もおられるでしょう。確かに、大人の完成された脳と子供の柔軟な脳では、情報の吸収力は異なります。しかし、週に1~2回、英語教室に通ったところで、家や幼稚園では日本語で会話しています。インターナショナルスクールに通っていたり、家に英語を喋る方がおられるような家庭は別ですが、一般的な日本人の家庭環境に身を置く子供には、小さい頃から英語を習わせるメリットは小さいように思います。

 

 

 

 

英語の本質は、コミュニケーションの「手段」

例えば料理教室に通いたい人がいたとします。教室に通う理由を聞くと、食卓のバリエーションを増やしたい、将来料理人になりたい、など料理を使って何かを成し遂げたい「目標」「目的」があります。逆に家で料理をしない人、将来料理を仕事にしたく無い人は、料理教室に通いません。料理はあくまでも食事を摂る(もしくは提供する)ための手段や(スキル)であることがわかります。

 

 

英語も同様にコミュニケーションの手段です。日本では学問、勉強としての側面が強いあまり、難しく考えがちですが、将来こういうことがしたい!という英語に絡めた目的意識を持つことが大切です。

 

 

 

英語を使って〇〇したい!と言えるまでは単なる負担

苦労して英語を勉強したのに、それほど身に付いていないという、親の経験が先行するあまり、子供へは英語の勉強を強要しがちになります。学校の成績を上げるため!と割り切って、ポジティブに英語の勉強に取り組む子供も少なからずいると思いますが、多くの子供の場合は、イヤイヤ取り組んだ習い事はトラウマになり、英語への苦手意識が将来ずっと残ってしまいます。

 

 

 

ある子育てに関するサイトの中で、早くから英語を習わせたお母さんのコメントが載っていました。

早い方がいいので

何を根拠に行っているのでしょう?

何も考えていないのが丸わかりです。

 

 

こういう考えでは、子供の使用来の選択肢を広げるせっかくのチャンスを台無しにしてしまいます。子供が英語が苦手にならないようにするためにも、まずは興味のあることを幅広く経験させ、本当にやりたいことを見つけさせるのが先決です。そのタイミングで英語が必要だ!と子供自身が気付くタイミングがあり、そのタイミングこそ英語の勉強に力を入れる時なのです。

 

 

 

 

最短で英語を身につける方法

どんな優秀な教材よりも短時間で、より実践的な英語が身につく方法があります。それは海外に住むことです。語学留学のように海外の高校、大学に通うような大げさなものではなく、まずは長期の旅行から慣れることをお勧めします。「そんなお金はない」とおっしゃる方もおられると思いますが、仮に6歳から10年間英会話教室に通った場合、1か月の費用が12,000円とすると、12,000円×12か月×10年=144万円の費用がかかることになり、1人暮らしであれば、アメリカでもヨーロッパでも数ヶ月間生活できるレベルの貯金ができます。就労ビザやワーキングホリデイを利用すれば、より長く滞在でき、実践的な英語が身につきます。

 

 

 

 

最後に

子供は大人のように目的意識を持って行動することが得意ではありません。楽しさをモチベーションに日々を一生懸命生きています。小さい子供に英語の教材を買い与えたり、英会話教室に通わせることは、時として子供のやる気を失わせる要因になります。英語の本質を理解し、コミュニケーション手段として必要であると、主体的に認識できた時こそ、力を入れて勉強させるべきなのです。

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