安さに勝るものはない。
そんな理由で、旅行やビジネスで利用しやすいLCC。格安航空券をゲットして現地にお金を回したいという人も多いはず。
でも子連れの旅行ともなれば、ちょっと考え方を変える必要があります。LCCは大手の航空会社より安い料金体系であることには違いありませんが、子連れであるがゆえのデメリットもたくさんあるのです。
今回は、子連れの旅行でLCCをご利用になる前にチェックしておきたいデメリットとなりうるポイントをまとめました。
座席の狭さ
この点は知っている方も多いでしょう。
前の座席との間隔のことを、シートピッチというのですが
大手キャリア(例えばANA)は約79センチのシートピッチが確保されています。
一方、LCCの場合、74センチしかありません。
その差はなんと5センチ!
たかが5センチという人も多いでしょうが、たとえ赤ちゃんであっても、膝の上に乗せるとかなりの圧迫感があります。小さい子供だと、前の座席を蹴ってしまったり、何度もトイレに立ち歩いたり。かなりの騒がしさが予想されます。
手荷物の重量制限が厳しい
多くのLCCでは、手荷物の個数は1人2点までと決められています。これに関しては大きな問題ではありません。しかし、1点の重量制限が10㎏までと決められているLCCが多く、この重量制限こそが子連れ旅行の敵なのです。ちなみにJetstarに関しては上限が7kgです。
子連れの旅行、特に3歳以下の子供を連れて行く場合、多くのご家族はベビーカーを持参されるのではないでしょうか。ベビーカーの多くは10kgを下回るため、10kgの手荷物重量の基準はクリアします。7kgだと、車種によってはオーバーするものも出てくるでしょう。
また、手荷物の重量制限があることで、手荷物を分割して持っていく必要があります。ここが子連れでLCCを利用する場合のデメリット。手の届くところに置いておきたいおしりふきや、哺乳瓶などはトートバッグに入れておくとして、その他の手荷物は一つにまとめておきたいところ。旅行なので、子供の着替えも多めに用意しますよね。しかし、重量制限のせいで荷物はシビアに振り分ける必要があります。
ちなみに大手航空会社では、手荷物の重量制限は20kgが一般的です。
キャンセルできない
LCCは保有する機体数が限られているため、発着本数自体が少なめ。ゆえに早めに予約しないと、席数が確保できない場合があります。しかし、子供の体調などを理由に旅行自体をキャンセルせざるを得ない状況も出てきます。そういった場合、大手の航空会社では、一部料金が返却される場合が多いのですが、LCCの場合はキャンセル不可。となっているものも多いので要注意です。
一部キャリアでは抱っこひも禁止
安全上の理由から、抱っこ紐が禁止になっているキャリアがあります。私の知る限り、数年前までJetstarは抱っこ紐が禁止でした。もちろん安全上の理由ですが、機内で使えない場合があるので、抱っこ紐に入れて赤ちゃんを寝かしつけたいと考えているのであれば、あらかじめ調べておいたほうがいいでしょう。
手数料や追加料金が多い
LCCの場合、あらかじめ記載されている料金はあくまで基本の座席料金のみ。子連れだから少し広い席にしたいと考えている場合は追加料金が必要ですし、空港の使用量や、予約時の手数料もかかってきます。例えば・・・
支払い手数料:1000円程度
座席指定手数料:1000円程度
受託手荷物手数料:予約時にプランとして指定しておけば1000円前後ですが
登場時に重量オーバーと判断されれば、もう少し高くなります。
飲食代:機内サービスが基本的に有料です
ざっと思いつくだけでも1席に付きプラス2000円程度かかるケースが考えられます。一般的に格安とされているLCCですが、子連れで複数の人数を予約する場合、本当にメリットがあるのか再考する必要があります。
子供料金プランがない
子供の特権ともいうべき子供料金。しかしLCCは子供であろうと大人であろうと、1席の料金は変わりません。もちろん、膝上で・・・と考えることもあると思いますが、それも1歳までです。
子供の年齢区分を、大手の航空会社と比べてみましょう
分類 |
国内線 | 国際線 | ||
大手航空会社 | LCC | 大手航空会社 | LCC | |
幼児 | 生後8日から2歳 | 生後8日から1歳 | 生後8日から1歳 | 生後8日から1歳 |
小児 | 3歳から11歳 | 2歳から11歳 | 2歳から11歳 |
なし |
まず、国内線において、幼児の区分が1歳までとなっており、大手航空会社に比べて低いことが特徴です。次に、年齢区分によって料金がどのように変わるのか見てみましょう。
分類 |
国内線 | 国際線 | |||
大手航空会社 | LCC | 大手航空会社 | LCC | ||
幼児 | 座席を使用しない | 無料 | 無料 | 大人の料金の10% | 無料 |
座席を使用する | 大人の料金の50% | 割引なし | 大人の料金の75% | 割引なし | |
小児 | 大人の料金の50% | 割引なし | 大人の料金の75% |
割引なし |
大手の航空会社に比べて、用事であっても小児であっても割引が適用されないケースがほとんどです。唯一座席を使用せず、膝上で過ごせる赤ちゃんが無料でLCCを利用できるといったところでしょう。
※大手航空会社:ANA、JALを対象に調査
※LCC:Peach、Jetstarを対象に調査
最後に
一般の航空会社に比べると、LCCが子連れの家族旅行に不向きである点はご理解いただけたかと思います。しかし、格安で航空券を取得できるという大きなメリットがあります。今回ご紹介したデメリットとの比較は、行き先や慣れ、ご家族の意見と照らし合わせて総合的に判断されることをおすすめします。
簡単にこの記事をまとめると
・格安航空券で利用できるLCCならではのデメリットが存在する
・実際には追加料金が発生し、大手航空会社のキャンペーン価格のほうが安い場合がある
・キャンセル、空間、手荷物の重量などLCCの制限が子連れ旅行に向いていない
・子供料金プランがないため、人数によっては、一般的な航空会社のほうが安くなる可能性がある
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